
2026年6月11日、藤沢市環境部ゼロカーボン推進課主催、公益財団法人神奈川産業振興センター、藤沢商工会議所との共催事業として、中小企業のための脱炭素・事業者セミナーが開催されました。今年度より藤沢市では6月をゼロカーボン推進月間とし、本セミナーはそのイベントの一環となります。
昨今の社会情勢の影響で人件費や原材料費が高騰する中、光熱費を見直しコスト削減と脱炭素を両立できるような具体的なヒントを提供するのが本セミナーの主旨です。セミナーは、脱炭素経営の基礎とメリット・藤沢市内事業者における太陽光発電システム導入による電気代削減効果・行政による企業への支援施策について四部構成で紹介されました。
第一部は、CN支援アドバイザーの渡邊 一弘氏のご講演で、地球温暖化と脱炭素の関係、中小企業に脱炭素が求められる背景、脱炭素経営のメリットについてご説明されました。政府の掲げるGX(※1)実現にむけた基本方針に従い、各企業がサプライチェーン排出量を踏まえて、3つのScope(※2)に分けて考えながらカーボンニュートラルに取り組むことが重要です。大企業がサプライチェーン全体でカーボンニュートラルを目指す中、サプライチェーンの一部として中小企業が取り組むべきこと、それが自社営業・事業にどう影響するかを考えながら脱炭素経営にどう取り組むべきか、主要取引先から協力要請があったときそれに応えられる体制をどう整えていくのかなど、具体的事例を交えながら説明されました。


サプライチェーンとして中小企業が取り組む脱炭素化の考え方は、(1)エネルギー消費量の削減、(2)エネルギーの低炭素化、(3)利用エネルギーの転換です。それを実現するためには、CO2排出量を「知る・測る・減らす・知らせる」というステップで進めていきます。紹介された事例では、「見える化システム」を導入したことによって、社員の行動変容や運用改善による効果で燃料費や電気代のコスト削減につながったことなどが報告されました。


※1.GX(グリーントランスフォーメーション)は、化石燃料中心の産業・社会構造を、太陽光や水素などのクリーンエネルギーに転換して、脱炭素と経済成長の同時実現を目指す取り組み。
※2.温室効果ガスの排出要因をサプライチェーンを含めた3段階に分類して把握する考え方。Scope1:燃料の燃焼、Scope2:電気の使用、Scope3:事業者の活動に関連する他者(サプライチェーン)の排出
第二部のトークセッションでは、最初に株式会社コクホーシステムの宮崎様より、自家消費型太陽光発電がCO2排出量削減と電気料金削減、遮熱効果など複合的なメリットにつながることについてご説明がありました。具体的事例として藤沢市内の事業者をあげ、「屋根面積250㎡のとき設置費用1100万円がかかるが、県と市の補助金併用で750万を賄うことで、自己投資額が350万となり、電気料金削減額が120万円/年で回収年数2.9年となる。太陽光パネルの耐用年数が約30年なので、3年以降毎年120万が現金として残るのでキャッシュフローの改善につながる、これからも年々電気料金が上昇することを踏まえると、自家消費型太陽光発電は今後さらに電気料金の削減効果が出てくると予想される」と紹介いただきました。
次に、パナソニックエレクトリックワークス株式会社の宮本様より、「LEDで照明50%電力量を削減でき、人感センサーでさらに削減が可能であり、蛍光灯から交換すればすぐに効果が出る、そして蛍光灯は2027年に廃止され、電気代も上昇しているので早めに対応すべき」と説明されました。


第三部では、神奈川県と藤沢市より、行政による事業者支援ツール・補助金が紹介されました。ふじさわエコライフアドバイザーであるアークエル株式会社様より、CO2排出量の可視化および削減に向けた支援(かながわCO2見える化トライアル2026)についてご説明をいただきました。しんきん地域創生ネットワーク株式会社様からは、太陽光設備導入提案・進め方のコンサルティング(工事費の見積もり、電気代削減効果、初期投資の回収見積もりの試算)についてご説明をいただきました。
今後も藤沢市では、今回のようなイベントを通じて、市民事業者との連携により脱炭素社会の実現に向けて取り組んでいきます。
※関連資料リンク
▶地球温暖化対策設備に関する補助事業について
▶藤沢市エコライフガイドブック
第四部は、創エネブース・省エネブース・中小企業診断ブースが用意され、各ブースにて登壇者や行政に個別相談できる時間が設けられました。



