これまでの50年、これからの50年未来の地球をくらしから~『食』をキーワードに考える

エコ日記

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講師の行木美弥先生(慶應義塾大学環境情報学部 准教授) 2月28日、湘南NDビルで講演会「未来の地球をくらしから~『食』をキーワードに考える」が藤沢市地球温暖化対策地域協議会と藤沢市との共催により行われました。

講師には、行木美弥先生(慶應義塾大学環境情報学部 准教授)と、協議会会員の東京ガス(株)・エコ・クッキングインストラクターの川崎由香さん。最新の気候変動に関する国際的な報告書(IPCC)の解説やフードマイレージ、地球にやさしい調理法など、「食」をテーマに講師お二人のお話がありました。

●これからの50年に私たちができること

「いい食べものは、いい環境からでしか生まれない」そう話し始めた行木美弥先生。最新の気候変動に関する国際的な報告書(IPCC)をもとに、地球温暖化によって世界各国、そして日本の自然に変化が出ていること、そしてその変化により漁獲量や、農業に影響が起きていることの説明が具体的な数字を並べながらありました。さらに、今までの経済が成長してきた50年と、これから先の50年は違うものになるそうです。 IPCCの報告書によると、これからの50年でさらに温暖化が進み、農畜産業、漁業に影響が今より出てくるそうです。品質が落ちたり、生産地域の変化により、収穫量が減る恐れがあるそうです。そんな中、私たちができることは、その温暖化を少しでも進ませなくすること。温暖化の原因となっている二酸化炭素の排出量は、日本国内においては、全体の約14%が家庭から出ているものだそうです。では家庭で何かできるか?具体的な試みが紹介されました。 まず、「こまめな対策もいいけれど、できれば無理せず、意識せず続けられる設備投資が大事!」これは、LED照明や、最新の冷蔵庫・エアコンなどの省エネ家電に変えることによってエネルギー消費を意識せずに削減すること。家計的にも、初期投資は大きくても、電気料金が安くなるので、長期的な視点で見ればこちらの方がお得だそうです。他には、家庭ではエネルギーを熱として使うことが多いので、太陽熱温水器は、太陽光発電よりも投資額は控えめなうえに省エネに効果的とお話がありました。 <東京ガス(株)・エコ・クッキングインストラクター>●エコ・クッキング

次に、東京ガス(株)の川崎由香さんより同社が行っているエコ・クッキングについてのお話がありました。エコ・クッキングは、地球環境を思いやりながら、「買い物」「調理」「片づけ」をするエコ活動のことです。 自社の料理教室や小・中学校への出張授業等で開催されていて、2005年には地球温暖化防止活動環境大臣賞を受賞し今年で20年目を迎えるそうです。川崎さんより、具体的にエコ・クッキングがどのように行われているか説明がありました。 まず「買い物編」では、旬の食材を選ぶこと、地産地消のすすめ、必要量を買う、の3つがキーワード。旬の食材を選ぶ理由は、旬以外の時期で出ているものは温室栽培等でエネルギーをより多く使って栽培されているから。また、旬の方が美味しくて栄養も高いとのこと。 次に「調理編」では、食材をムダにしない、環境にやさしい熱源を選択する、エネルギーと水をムダにしないなど。土鍋を使った”余熱調理”や、鍋やフライパンを使いまわした”ひとつ鍋調理”、また魚焼きグリルで肉と付け合わせの野菜を一緒に焼いてしまう”同時調理”など、簡単で省エネな調理方法が紹介されました。 最後に「片づけ編」では、節水と水をよごさない工夫、なんといっても盛りつけた料理は、残さずに食べること。洗いものポイントなどが紹介されました。

●食をキーワードに考える

エコ・クッキングで具体的なエコな調理方法の紹介のあとは、再び行木美弥先生により「何を食べるか、どう食べるか」をテーマにお話がありました。エコ・クッキングにも出てきたフードマイレージ(食料の重さと輸送距離を掛け合わせたもの)の説明や、家庭から出る生ごみの4割が食べ残し、1割が手つかずだということ(残りは調理くず)など、数字とともに紹介されました。「要するに、その季節に、その土地で取れるものを食べるのが一番」そう締めくくった言葉は、とてもシンプルですが、地球温暖化防止に私たちが出来ることは、そういったシンプルで当たり前のことなのかもしれません。逆に言えば、便利なことに囲まれ当たり前のことを見失っているのかもしれませんね。

●藤沢市地球温暖化対策地域協議会

藤沢市地球温暖化対策地域協議会は、環境教育出前授業や、環境フェア、みんなの消費生活展などへの参加・出展など、藤沢市を中心に地球温暖化防止に向け様々な活動をしている団体です。

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