森の役割って何だろう?-湘南エコウェーブ~みんなで森を知ろう!2014が開催されました!
エコ日記
毎年8月に開催されている、「湘南エコウェーブ~みんなで森を知ろう」が、日本大学生物資源科学部の演習林で今年も行われました。藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町の小学生親子を対象とした同イベントは今年で3回目の開催。講師の井上公基教授(日本大学生物資源科学部)や日本大学の学生たちと一緒に、演習林の中に入り、くち木の中や、小川にいる生物を観察することによって、森や生物たちの自然の中での役割を勉強しました。
●木は何を食べて育つのかな?
まず、森(演習林)に行く前に、教室で日本大学生物資源科学部助教の園原和夏さんより、木についてのお話がありました。木は、何も食べるのか?そしてどうやって大きくなるのかを、かわいいイラストを使って説明していました。 その説明の中には、落葉やくち木を虫や微生物たちが分解して木の栄養になっていること、またCO2を空気中から取り入れて酸素を放出してくれていることなど。木が自然の循環においてとても大切な役目があることをお話していました。
●森と町の温度を測ろう!
教室での木の説明の後は、いよいよ森の中へ。今回は、様々な場所の気温を測りながら探険をしました。校舎の外の気温は32度。アスファルトからの熱もあってとっても暑い印象でした。そして、森の中はというと、校舎の外より1.5度低い、30.5度。森のさわやかな風も吹いて、体感温度はそれ以下に感じました。というのも、森の土の温度は25度、小川の中は23度と、外気以外の空気がとても低いので、真夏とは思えない過ごしやすい空間でした。
●くち木の中、小川の中
探険は、まずくち木の中をみんなで調べてみました。日本大学の生徒の方たちが用意してくれたくち木を、ハンマーなどを使って崩していくと、中からクワガタの幼虫やミミズなどが見つけられました。これらの昆虫や微生物が、木を栄養にし、くち木はさらに分解され、新しい世代の木の栄養分となっていきます。 その次に、森の中を流れる小川の方に行くと、サワガニ、オニヤンマ、ヤゴなどが水中や川際にたくさんいました。生物を見つけるたび、子どもたちはとても嬉しそうに自分の親や友達たちに見せていました。
●とっても少なくなった森たち
子どもたちは、元気いっぱいに肌で森を体感した様子でした。森での探険から教室に戻ると井上公基教授から、同大学が守っているもう一つの森、北海道の八雲演習林のアオダモの木で作ったコースターを参加者たちにプレゼントしていました。「森林は人の手(開発)が入るとすぐなくなってしまう、今日探険した演習林は、わずかに残った里地・里山の一つです。森の役割をわかってもらえたでしょうか?」と最後に井上公基教授からお話がありました。 恐らく昔は当たり前に循環し、有効活用していた森、それは私たちが地球で生きていくにあたって絶対に必要なモノたちなのに、忘れていることがたくさんある気がしました。数少なくなっても、まだ残っている緑を、この子どもたちのためにも一つでも多く残していきたいですね。
関連リンク: 日本大学生物資源科学部 日本大学 演習林 湘南エコウェーブ