いのちの守りかた-藤沢市せっけん推進協議会in聖園マリア幼稚園

エコ日記

sekken_misono0

sekken_misono1-2

会場は満席でした  

11月12日、善行にある聖園マリア幼稚園で藤沢市せっけん推進協議会による講演会が行われました。

保育参観日の途中で設けられた2時間ほどの講演会には、約160名の保護者の方々が集まりました。同協議会の手塚さん、篠原さんが合成洗剤とせっけんについて実験や映像資料を通して伝えていました。聖園マリア幼稚園では、せっけんを使っているそうで、今回の講演会は園長先生の念願であったと冒頭の挨拶でお話しがありました。

sekken_misono2-2

ブラックライトを当てた実演

 

●青く光る

界面活性剤の入った合成洗剤と、せっけんを魚のいる水槽にいれた比較実験の話(合成洗剤の方はエラの膜の細胞が破壊され死んでしまう、せっけんの方の水槽は白く濁るがその後別の水槽に魚を入れ直せば元気になる)やミドリムシを使った実験映像(合成洗剤の方は、細胞が破壊されていく)、合成洗剤液とせっけん液のそれぞれにガーゼを入れ、そのぬれた部分をブラックライトで照らす実験(合成洗剤液でぬらしたガーゼが青白く光った。これは、合成洗剤には蛍光増白剤が入っているからです。)など、手塚さんのこれまでの活動のエピソードを交えながら行われました。また、合成洗剤の中には下水処理施設で分解しきれない物質があること、それによる河川や海への影響についてもお話がありました。

sekken_misono3-2

映像資料を使って説明する手塚さん

●せっけんは食べられる!?

驚いたのは、魚の入った水槽の中に合成洗剤とせっけんを入れる実験映像で、せっけんの方は、白く濁るのですが、その後、魚たちがせっけんを食べ始めたことです。せっけんは、植物性か動物性油からできているので、水槽に対して飽和状態になると、ただの油となって食べられるエサになるそうです。

sekken_misono4-2

この紙の1ミリにも満たないくらい

●0.01%の水

また、“水の大切さ”についてもお話がありました。長細い水色の紙の先端をハサミできって、「地球にある私たちが使える水は、このくらいしかないんです」と話す手塚さん。地球にある水は、海水が97.5%、淡水は2.5%、しかも淡水の中には、氷河なども含まれるので、実際利用できる水は、全体の0.01%しかないそうです。限りある資源を有効に使うには、私たちが使う水、一滴一滴について、本当は考えなければいけないのですね。

sekken_misono5-2

講演参加者に配られたせっけんや資料

●せっけんの歴史は5000年 古代ローマ、サプルの丘での出来事として、羊を焼いて出た油と灰が混ざってせっけんができたという、サプルがソープの語源とされている話があります。それよりも以前、紀元前2800年頃、アムル人の王都バビロンなどで使われていたことがわかっているそうですが…何はともあれ、古くから使われてきたせっけん。そもそも合成洗剤が誕生したのは、第一次世界大戦の頃、100年に満たない歴史だそうです。子どもや、私たちの肌に直接触れる、洗剤。また、私たちの生活から出る排水によって自然界の生物たちにも影響することがわかった講演会でした。法律で大丈夫だとしても、私たちが自分自身で勉強し選択しないといけないことに、今後よりいっそうなっていく現代。答えは古きに、そしてすぐ身近にあることがたくさんあるのかもしれません。「わたしたちは命を預かっている」と手塚さんたちは参加したお母さんたちに話していました。様々な“いのちの守りかた”を考えていきたいですね。

●藤沢市せっけん推進協議会とは?

藤沢市せっけん推進協議会は、1981年「藤沢市洗剤対策協議会」として発足し、その後「藤沢市石けん推進協議会」、現在の「藤沢市せっけん推進協議会」となって精力的に活動を継続させている市民団体です。同協議会の活動により、藤沢市の全学校給食施設では、調理機器や床の洗浄に1986年より“せっけん”が使用されています。その他、引地川、境川などの合成界面活性剤の濃度の調査なども行っています。「いのちを守るため、自然を守るため、せっけんの良さを皆さんに知ってもらいたい」と強い思いが通った藤沢市の歴史ある市民団体の一つです。

  • エコライフチェック
  • 環境クリック募金
  • 藤沢市<br>COOL CHOICE

関連リンク