さくらの木を植えよう!湘南エコウェーブ植林プロジェクト
エコ日記これからの地球を変えていくのは子どもたち、そしてそれを導くのは大人たち。未来の環境はどうあるべきだろうか―。その答えが身近な自然に触れることに、もしもあるとすれば、先日、日本大学生物資源科学部(藤沢市亀井野)で実施された「親子植林プロジェクト」を紹介したいと思います。主催の「湘南エコウェーブ」は、藤沢市・茅ヶ崎市・寒川町の2市1町で構成している湘南広域都市行政協議会の「地球温暖化」防止対策を推進するために、立ち上げられたプロジェクトです。植林の大切さや森の大切さを学び、湘南に住む親子たちが桜の植林をした模様を今回はレポートします。
まず講義室で、日本大学生物資源科学部の井上教授や、今回桜を植林する湘南演習林(日大敷地内の森林)を管理している枝野さんにより、湘南演習林についての説明がありました。湘南演習林は、古くから燃料採取林として利用されてきて、クヌギやコナラなどの広葉樹林、その他、クロマツ林、ヒノキ林などを所有しています。学生の実習や実験に利用されていたり、近隣の子どもたちの環境教育の場としても利用されているそうです。
次に、樹木の断面、年輪を見てその木がどのくらい二酸化炭素を吸収しているかを測定する実習がありました。樹木は生長するにつれて二酸化炭素の吸収率が増加し、また老いとともに減少していくそうです。樹木の半径と年輪の幅を測り、計算式に当てはめるとその木の体積や重さ、そして二酸化炭素貯蔵量を導くことができました。子どもたちにはちょっと難しかったかもしれませんが、お父さんやお母さんと協力して、その木がどのくらい二酸化炭素を吸収しているかを計算していました。簡単な二酸化炭素貯蔵量を導く式は下の通りです。 ※現在の二酸化炭素貯蔵量=A×A×A×0.2 (Aは幹の半径)
森林や二酸化炭素についての勉強をしたら、いよいよ植林をしに演習林へ移動です。途中、日本大学の敷地内には、馬や牛、ヤギにダチョウなどさまざまな動物が飼育されていました。大きなダチョウには子どもたちも大喜び。広大な敷地を笑顔で進み動物たちに別れを告げて、いざ森の中へ入って行くと、そこは別世界。ここは藤沢?と思うような緑の中、葉や木をかき分けながら歩いていき、子どもたちからは「シカになったみたい!」と元気な声が飛び交っていました。小川を渡って小さな坂を登ると、ようやく桜を植える広場に到着しました。
今回、植林する桜は、ショウゲツ(松月)、エドヒガシ(江戸彼岸)、ソメイヨシノ(染井吉野)、ヨウコウ(陽光)の4品種です。敷地奥から道路沿いへと4品種を植えると奥から順番に開花していくそうです。植林の仕方は、十分に穴を掘って、支えての杭を立てます。次に苗の根元がまっすぐになるように入れて、生え際の根張(ねばり)が地面と平行になるように少し持ちあげなら、土を穴に入れていきます。大きなショベルで力いっぱい土を掘り出す子どもたちをお父さんやお母さんおばあちゃん、おじいちゃんがサポートしていました。親子の連携プレーであっという間に敷地には小さな苗木たちがキレイに立っていました。
最後に、みんなで記念撮影をして「親子植林プロジェクト」は終了しました。これから大きく育っていく桜が楽しみです。 「湘南エコウェーブ」では他にも様々なエコプロジェクトを進めています。電気自動車(EV)の試乗会や、緑のカーテンの普及など、さまざまなイベントがありますので是非参加してみてはいかがですか? 地元から出来ることをコツコツと―。地球温暖化防止という壮大なテーマですが、楽しみながら、そして自然に触れ合いながら関わっていきたいですね。
●関連リンク :「湘南エコウェーブ」湘南広域都市行政協議会 :日本大学生物資源科学部