山の上にecoな暮らしのヒントを見た-“八ヶ岳本沢温泉”にて

エコ日記

標高2150mに位置する本沢温泉“雲上の湯” 

2009年8月13日から15日2泊3日、八ヶ岳中腹にある湯元・本沢温泉にお世話になりました。

今回は12日に藤沢を発し、野辺山に1泊した後、本沢温泉にやってきました。 本沢温泉は八ヶ岳連峰・硫黄岳の爆裂火口壁東側直下にある天然温泉で、露天風呂は標高2150mの高地にあります。混浴なのですが脱衣場などというものはありません。 2度目の来訪なのですが以前訪れた時とは変わったところがいくつかありました。崩れ落ちそうだった湯船の脇のデッキか新しくなっており、さらに脱衣に便利な手すり付きのデッキも新設されていました。

本沢温泉から見上げた硫黄岳の爆裂火口壁 

湯本・本沢温泉には山小屋に不慣れな登山素人の私にとって驚きの体験がありました。 登山道の入り口には駐車場があるため、入浴目的で約2時間の山道を歩き訪れるハイカーも多いようです。ところが宿泊客のほとんどは登山者なのです。 受付で出迎えてくれたお姉さん(なんと六会・西俣野出身)の説明では、6時に夕食、8時に消灯となり自動的に部屋の電灯が消え、朝6時半に朝食、チェックアウトは8時とのこと。夜の8時に部屋の電気は本当に消え、24時間入浴可能な内湯でも懐中電灯が必需品となります。8時をすぎると宿泊客は誰もが寝てしまい、朝までたっぷりと睡眠が得られるのです。そして窓外の明るさの変化で自然に目が覚めるのです。

湯元・本沢温泉は山小屋なのです 

なにからなにまで街暮らしの朝とは異なっていることがとても新鮮でした。私たちの生活の不規則さを考えると、年に1度はこの場所に滞在し生活のリズムを考え直すのも必要だなと強く感じました。自分の生活リズムをリセットすることができそうにも思えました。 ところで、今回の山行で私が見たり感じたりしたことをいくつか・・・。 本沢温泉では石鹸やシャンプーなど分解時に自然に対して負荷がかかるものは使用させていません。トイレに紙類は流せない決まりで、紙類は専用の容器に入れます。また、この容器にはビニールの袋ではなく新聞紙が敷いてありました。当然のことながらゴミはすべて持ち帰らなければなりません。 夏沢峠を経て標高2760mの硫黄岳山頂を目指す 八ヶ岳の登山道ではほとんどゴミを見かけず、たばこの吸い殻も落ちていませんでした。 しかしながら、登山道が整備されているということはそれだけ自然環境に対する負荷が大きいということです。特に復元が困難なものはハイマツ帯などの植生だと感じます。山頂直下には登山道部分の表土がえぐられ植生が樋状に分断された場所が各所に見られます。さらに標高の低い樹林帯では木の根が露出し踏みつけられている場所が多いのが現状です。 また、2500mを越える稜線上の山小屋では洗浄式便座を見かけました。はたしてここまでする必要があるのか、汚水の処理はどのように行っているのかなど、思わず首を傾げてしまいました。

とてもなだらかな硫黄岳山頂なのですが・・・ 

さて、山小屋で売られている食品類には運搬コストが乗せられているため割高感満点なのです。それにも関わらず、自ら山に登ってきた人たちには、運搬の苦労を察することができるためか、妥当な価格と感じられるのです。もっともこれは私の感想なのですが。 標高2150mで飲む生ビールのうまさといったら下界では得がたいものなのです。なにより温泉上がりに飲む生は格別です。 さまざま感じることもある日本の山事情ではありますが、登山の醍醐味は登頂時の達成感と景色の素晴らしさにあると私は思います。また、気象現象を含めた地学的な面白さはもちろん、植物や昆虫、野鳥などとの出会いにも山を訪れる度に感動させられます。

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