合鴨農法から学んだ-谷戸のツチガエルもアイガモも人もみんな繋がっている

エコ日記

浅野紘臣教授(日本大学) 

石川丸山谷戸の湧水を使い谷戸で合鴨米を作っておられる須田直吉さん。合鴨農法を研究しておられる日本大学の浅野紘臣教授。この際教授から合鴨農法を学び、藤沢自然懇話会の石田聡さんに谷戸の生物を現場で語っていただき、谷戸について深く知りたいと、8月4日に講座「合鴨農法を学ぶ」を開きました。

参加者は約20名でした。

教室にて。

『農業人口360万人(60歳以上67%)、 農家数175万戸、年収42万円(!)、穀物自給率28%・・』の数字をまず見せられ、過酷な日本の農業環境と不安定な食料安保を知りました。この過酷な農業環境と合鴨農法の関係は。 ・合鴨農法農家:1万戸、合鴨は全国で40~50万羽 ・合鴨農法良い点:合鴨は雑草を食べる(無農薬米) ・合鴨農法悪い点:寄生虫や大腸菌などの衛生面の問題、生産性の悪さ(自主流通米:10kg5000円位) ・合鴨米の味:合鴨米が味の点で特に普通米より優れているわけではないのですが、無農薬米という先入観が強くあれば、特に美味しいと感じるようです。 ・浅野先生の疑問:合鴨農法はいわば1940年代以前の非効率な農法です。果たして日本の食糧確保に繋がるのでしょうか。 ・合鴨農法の未来:生産者の思い入れと支持者の存在にかかっています。 ・記者の感想:合鴨農法は農家の窮状を救いはしませんが、農業に灯りを点しているように思います。  

谷戸にて。

石田さんの引率で谷戸の観察をしました。藤沢の他の二つの谷戸に比べて谷の高低差があり、水量も多く、水温も低いそうです。ヒグラシやウグイスが鳴きオニヤンマが飛び交い、今では珍しいツチガエルを見て、この谷戸に懐かしさを抱きました。参加者のみなさんも圧倒的な自然と絶妙な解説に少々興奮気味です。  須田さんの田んぼでは南沢先生の説明や柵に入った合鴨の観察です。野生動物に襲われた跡を見ると、谷戸の領域を人や生物がせめぎ合っているのが分かります。

猛禽類(8月6日「エコの縁側」掲載より)(提供・協力) 合鴨米2合(須田直吉さん) メジャー・エコバッグ(県藤沢土木事務所)

合鴨農法には光と影がありました。豊かな谷戸とこの農法が共存できることを願います。

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