クサフグを待ちながら-江ノ島の岩場で川のことを考えたりする

エコ日記

教育文化センター研修講座/2009.06.25/江ノ島・南側の磯にて

2009年6月25日夕刻、藤沢市教育文化センターが主催する研修講座が江ノ島の南側の磯で行われました。今回のテーマは「江ノ島におけるクサフグの産卵行動の観察」でした。

クサフグの産卵行動は6月から7月の満月日や新月日の2日後に多く見られ、最満潮時刻の3時間前から潮が満ちてくるのに合わせて活発になります。産卵場所は南向きの岩場が陸に向かい切れ込んだ崖下で、陸側から淡水の流れ込む、底質が砂利交じりの砂地が多いようです。

波間に漂う物体を発見した人がいて皆で観察 

16時30分ごろ産卵の観察を行う予定の入り江へ向かう途中、波間に漂う物体を見つめる人たちがいて…。 目を凝らすとアカウミガメの屍が波に揺られていたのです。

死んだアカウミガメが波に乗り岸に少しずつ近づいて来ます 

近年、藤沢周辺の海岸には多くのアカウミガメの亡骸が打ち上げられているそうです。新江ノ島水族館や藤沢市環境保全課などに情報が寄せられているとのことです。 アカウミガメは雑食性の動物です。海では海草やクラゲなどを食べているといわれています。 海岸に打ち上げられるアカウミガメの体内からはクラゲと誤食されたビニール袋などのプラスチック類が多く見つかるのだそうです。海岸漂着ゴミの7割が川を経て海にいたることを思うと一人の人間として責任を感じずにはいられません。 亀は波に揺られながら次第に岸に接近。5時30分ごろ波乗りをするような形でついに岩の上に上陸しました。 既に頭部は白骨化しており、脚の先もちぎれ、体全体が膨らんでいるように見えました。

江ノ島南磯でクサフグの産卵行動を観察/2009.06.25  

予想されていた時間を過ぎあきらめムードが漂う中、17時50分過ぎごろ産卵が始まりました。18時10分過ぎに産卵は最高潮に達しました。 警戒心が強く岸に人が多いと産卵を始めないといわれているクサフグなのですが、いったん繁殖のための浅瀬への突入を開始すると、周辺の様子など気にならなくなるのだそうです。

体全体が水から出てしまうような波打ち際に押し寄せたクサフグ 

クサフグたちは波打ち際の先端まで進入し体が海水に浸かった瞬間を狙い産卵します。1匹のメスの周辺に多くのオスが集まり放卵と放精が行われます。瞬く間にクサフグの周囲の海水は白濁していきます。 写真でみると打ち上げられてしまったようにも見えるのですが、次の波が寄せてくるとこの場所も海の中に変わるのです。 産卵が最高潮に達すると近づいて観察できるようになります。 (「藤沢電子横丁☆亀部」) 

優雅に泳ぐアカウミガメに会いに行きましょう!

『なぎさの体験学習館』は新江ノ島水族館に併設された、湘南のなぎさとふれあい、なぎさの大切さを「知り」「学び」「考え」「行動する」を基本テーマとする体験学習施設です。 なぎさの体験学習館1Fのウミガメプールでは、アカウミガメとアオウミガメにキャベツなどを直接与えることができる参加体験型プログラム『ウミガメのおやつタイム』が行われています。

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