合鴨農法~ここはいきもの達の棲みか~小学生・おじさん・おばさん合鴨大好き
エコ日記生まれたばかりの合鴨(アヒルと鴨の子供)
2009年3月、日本大学の廣瀬一美名誉教授による公開講座で「(数年前の)調査の結果、引地川の鯉の22%、境川の鯉の12%に、環境ホルモンによる異常がみつかった」ということを学びました。 工業水、農業水、生活水を排水として川に出さないことが大事、とのことでした。
須田牧場の須田直吉さんは「農薬を使う田んぼ周辺には魚や虫はいない」と断言します。合鴨による有機無農薬米栽培を、1997年から実践中です。 「癌や脳梗塞で亡くなる人が多いので、化学肥料を使わない安全な米作りをしたい」 これは廣瀬先生や国連環境開発会議の警鐘(※注)に対する一つの答えのように思います。
左が須田直吉さん
天神小学校5年生の田植え(石川丸山谷戸:須田さんの田んぼ)
5月25日、午前10時頃田んぼに行きますと、天神小学校5年生約90名による田植えの真っ最中。このような授業がをいつまでも続けられることを願います。
ヒナを田んぼに放つ
26日の朝、須田牧場で直吉さん、「辻堂の運送会社に合鴨のヒナが来ているので一緒に受け取りに行きましょう」。いやその運転の乱暴なこと。軽トラは何度も危機を乗り越え、ヒナ60羽を積んで牧場にようやく辿りつきました。
合鴨農法、柵つくりのボランティアの人達(湘南版おたすけ隊など)
柵造りには日本大学の先生や地域の方々、湘南版おたすけ隊の方々など総勢12名が参加。 この日は15時過ぎまで柵造りと網被せ。水田に入ると膝下まで足が沈みますので、抜けだせないオヤジさんもいて和気あいあいの時間が流れていきます。 合鴨は、すでに群れをなして泳いでいます。(カワイイゾ!)無農薬田周辺にはトンボやアメンボなど沢山の生き物。新緑の谷戸で直吉さん(86歳)の静かな気合を受け止めた一日でした。 そして、待っていた天神小学校の生徒達が、ヒナを田に放ちました。(その間記者は生徒達による合鴨背中攻撃!にさらされたのでした。) 秋になったらこの米を生徒達が食べるのです。田んぼの中にはじける、生徒や先生の笑顔がとても印象的でした。
※注 国連環境開発会議の警鐘 廣瀬一美農学博士 「人類は自分に都合のよい化学物質を作り出したのですが、他の生物に対しての気配りができていなかったのです。経済優先だったのですね。 1992年国連環境開発会議ができてグリーンケミストリーの精神というのを作りました」
◆グリーンケミストリーの精神12項
廃棄物は“出してから処理”ではなく、出さない。 原料をなるべく無駄にしない形の合成をする。 人体と環境に害の少ない反応物・生成物にする 機能が同じなら、毒性のなるべく少ない物質を作る。 補助物質はなるべく減らし、使うにしても無害なものを。 環境負荷と経費はなるべく減らし,省エネを心がける。 原料は、枯渇性資源でなく再生可能な資源から得る。 途中の修飾反応はできるだけ避ける。 できるだけ触媒反応を目指す。 使用後に環境中で分解するような製品を目指す。 プロセス計測を導入する。 化学事故につながりにくい物質を使う。