2025年12月7日(日) Fプレイスにて、リチウムイオン二次電池の発明者であり、ノーベル化学賞を2019年に受賞されました藤沢市在住の吉野 彰 氏を講師にお招きして、未来を担う若者たち(生徒・学生)に向けたメッセージとしてゼロカーボン講演会【リチウムイオン電池が拓く未来社会】が開催されました。
ゼロカーボンとは、二酸化炭素(CO₂)などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロ(排出量-吸収量=0) にすることで、地球温暖化による異常気象や生態系への被害を食い止めるための目標となります。藤沢市でも2030年までに温室効果ガスの排出量を2013年度比で46%の削減を目標としており、2050年にはゼロカーボンを目指しています。
先ずは開会式と鈴木市長のご挨拶の様子から。


吉野氏の登壇です。講演は、吉野氏が学生時代に関わった考古学研究会での経験談から始まります。吉野氏が発明したリチウムイオン電池は、現在のモバイルIT社会の実現に大きな貢献を果たし、これからは、2050年までのゼロカーボン達成をはじめとしたサスティナブル社会の実現に大きな期待が寄せられています。

若い参加者の皆さんは2050年までに働き盛りの年代になり、これから生まれるであろうゼロカーボン達成へのイノベーションに関わっていけるチャンスがあります。将来自分はどうなっているのだろう?その時にどのような研究をやりたいのだろう?と考えるとき、未来を予測することが重要なポイントとなります。ただ、未来を予測することは非常に難しいのですが、「歴史」という過去から現在の流れを理解すればこの先どのような流れになるのかが予想しやすくなります。
次なるヒントとして、学生時代に行った遺跡発掘現場での経験を例に、ただやみくもに掘るのではなく外堀から掘り始めて遺物のある場所を全体像から判断、その結果「塔の心礎」の発見に繋がった等の、一見リチウムイオン二次電池開発研究とは関係なさそうなことが「全体をみて予測する」経験に繋がりました。
そして、今後。リチウムイオン二次電池がEV(電気自動車)の普及に大きく貢献しています。EVは移動手段・脱炭素貢献以外にどのような社会変革をもたらすのか、私たちの生活そのものに深くかかわっていくEVの未来予想図をお話しされました。
吉野氏は、講演のおわりに、1980年代に地球環境問題となったフロンガスの影響に伴うオゾン層の破壊についても触れられ、フロン規制などによる世界的な取り組みによってオゾン層が回復しつつあることを参考に、二酸化炭素の排出に伴う地球温暖化の問題も人類は必ず克服できると断言され、「ゼロカーボンは必ず実現できます!」との力強いお言葉がありました。
そのためには、日本は新しい産業への参入権を得る必要があり、世界的な貢献を果たしていくことが重要であることを、吉野氏は述べられました。
講演会の最後には質疑応答が行われました。内容は参加者の世代ならではの関心が多く、吉野氏は、質疑について一つ一つ丁寧に回答され、一見関係のないと思うことにも興味を持つこと、人の役に立つ、人類への貢献などの信念を持って取り組むこと、モチベーションの維持などについて、メッセージを伝えられました。





