資源の旅先~商品プラスチック・エコキャップ編~エコプラザ綾瀬(有限会社 服部商店)

藤沢市で回収された商品プラスチックからできた再生ペレット
藤沢市で回収された商品プラスチックからできた再生ペレット
藤沢市で、3R(リデュース、リユース、リサイクル)を推進するため、平成24年4月より「商品プラスチック」の収集が始まっています。今回は、収集された商品プラスチック※のリサイクルをしているエコプラザ綾瀬(有限会社 服部商店)を紹介します。エコプラザ綾瀬では、藤沢市で回収した商品プラスチックや、その他様々なプラスチックを再生ペレットにし新たな商品へと再生しています。※商品プラスチックとは、「台所・風呂用品類」、「プランター・植木鉢類」、「ビデオ・DVD・CDなどのケース」、「事務整理用品類」、「かご・ケース類」といったプラスチック製の日常生活用品。詳しくはこちら
 
 
 
 
 
商品プラスチックの旅先、吉岡工業団地にあるエコプラザ綾瀬
商品プラスチックの旅先、吉岡工業団地にあるエコプラザ綾瀬
●葛原(経由)吉岡工業団地(行き)
藤沢市北部の長後駅から高座郡発祥の地である葛原へ向かい、そこから谷戸をぬけ、旧道を通り東海道新幹線の高架をくぐると藤沢から綾瀬へと地名が変わる。少しばかり田園風景を進むと、どこからか金属を叩く音が鳴り響き、トラックが行きかい、下町感すら漂う工業団地に到着する。そこは、長後駅からバスで約30分、藤沢市で分別された商品プラスチックの旅先である吉岡工業団地である。※吉岡工業団地(吉岡工業会)は、綾瀬市内最多の124の事業所がある工業団地で、県内でも事業所数は上位の工業専用地域である。工業団地とは、団地とついているが住宅があるわけではなく工業が集まった工業専用地域のこと。
 
 
 
再生ペレットをつくる装置
再生ペレットをつくる装置
昨年4月より藤沢市で開始された「商品プラスチック」の戸別回収。その回収された商品プラスチックは、(有)服部商店のエコプラザ藤沢(藤沢市葛原)に運ばれる。エコプラザ藤沢で商品プラスチックは選別され粉砕する工程をし、さらに吉岡工業団地にある同会社のエコプラザ綾瀬に運ばれる。そこで、160℃~190℃の熱で溶かされ再生ペレットとして生まれ変わる。熱の温度はプラスチックの樹脂の種類によってそれぞれ違う。エコプラザ綾瀬では、他にも大口のプラスチック(牛乳ケース、床下のプラスチックパネル、プラスチック製の建材、エコキャップなど他多種)などが集まり、同じく粉砕され、熱で溶かされて再生ペレットとなる。再生ペレットは、ベンチやプランター、医療廃棄ボックスなど様々なプラスチック商品に生まれかわる。
 
 
 
 
 
 
エコキャップの選別作業
エコキャップの選別作業
●誇らしげな選別作業
各プラスチック製品を再生ペレットにする工程にあたって肝心なのは、異物が入っていないこと。異物が入っていると、その後、製品に生まれかわるときに強度などに問題が起きてしまうからだ。エコプラザ綾瀬では集まったエコキャップから異物を取り除く選別作業を社会福祉法人「創」の皆さんによって、4~5人態勢で1日約100キログラムのエコキャップを選別している。異物には、アルミのキャップ、乾電池、紙くずなどがあり、それらを選別し、またケースに収めていく。選別に使うケースも、市場で見かける魚を入れるカゴや、再生ペレットから出来たケースを利用するなど、3Rが徹底されている。
 
 
 
 
 
 
選別作業によってはじき出された異物
選別作業によってはじき出された異物
最初は、施設で作業を行っていたそうだが、実際にこの工場にきて、自分たちが選別したエコキャップが再生ペレットとなり他の製品に生まれかわる工程を見るようになってから一層やる気が増したそうだ。作業が終わった「創」の皆さんたちは、誇らしげな顔をして帰るそうで、それがとても嬉しいとエコプラザ綾瀬所長の村上さんは話してくれた。選別作業は、社会福祉法人「創」の他、NPO法人フリークラブ湘南の皆さんも行っている。
 
 
 
 
 
 
 
 
出来たての再生発泡スチロール、触るとまだ温かい
出来たての再生発泡スチロール、触るとまだ温かい
●集まる資源1(エコキャップ)
エコプラザ綾瀬の入り口には全国から集まったエコキャップが入った段ボールが高くまで積まれていた。北海道、東京、川崎、厚木など地域は様々。配送元伝票には、市民団体や事業所、個人と、出し主の形態も様々であるようだ。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
牛乳ケースからできた黄色い再生ペレット
牛乳ケースからできた黄色い再生ペレット
●集まる資源2(発泡スチロール)
市場や商品のカバーなど流通で多く使われる発泡スチロールもエコプラザ綾瀬に集まってくる。発泡スチロールたちは、高さ5メートルほどある大きな装置に入れ高速回転させる。すると、その摩擦熱で装置内の温度は100℃ほどになり、その熱で破片同士が再び互いにくっつき、板となって出てくる。そうして出来た再生発泡スチロールは、額縁の素材や、ラジカセの保護ケースなどになるそうだ。
 
 
 
 
 
 
再生ペレットを配合する装置。金属探知機がついており、最終的な不純物を取り除き、次の製品に適したものにする
再生ペレットを配合する装置。金属探知機がついており、最終的な不純物を取り除き、次の製品に適したものにする
●集まる資源3(様々なプラスチック)
ペットボトル、ABS(プラスチック建材)、牛乳ケース、床下のプラスチックパネル、プラスチック製ハンガーなどもここに集まる。それぞれ粉砕され再生ペレットに生まれかわる。酒屋でよく見かける黄色い牛乳ケースの再生ペレットは黄色、ABS建材は濃い灰色など、種類ごとに粉砕されるので、元の色が表われる。幾分、明度が暗くなるが(ロゴなどのプリントのインクなどによって)、それが“味”となって、再生ペレットから出来たプラスチック製品は、不思議と少し石や土のような、マットで風味のある質感になっている。プラスチックという科学物質が、やや天然素材のような温かみのある見た目に変化するのは、循環や再生という本来、石油資源に似合わない自然界的な工程を踏んだことで、少し自然物質に近寄ったのか。もしもそうならば、それに必然さも感じた。実際は、紛れもない科学物質だが、自然の“循環”を模倣した結果だろうか。
 
 
 
再生原料を40%配合したごみ袋。他に100%再生原料からできたごみ袋もある
再生原料を40%配合したごみ袋。他に100%再生原料からできたごみ袋もある
●旅から戻る資源たち
こうして、私たちの家庭や生活から出た様々なプラスチックの資源たちは、再生ペレットとなり、そして別の形となってまた戻って来る。作業工程を見学させてもらい痛感したのは、家庭や会社から資源を出す時点での分別の大切さだ。最初にしっかりと分別をしないと、中間工程で選別・分別の手間が増え、それがコストとなって私たちの元に帰ってくることとなる。より資源を効率よく循環させるには、一に二にも正しい分別がとても大事だ。「まあ、いいや」とペットボトルのビニールカバーを剥がさなかったり、違うごみ箱に違うごみを入れてしまったり、その一つ一つを無くすことによって、資源は循環しやすくなる。何年か前に比べると、かなり資源や分別への意識は高まったが、限りある資源である限り、その意識は生長していかなければならないようだ。
 
 
配合した再生ペレット、配合によって強度が変わってくる。配合率は企業秘密!
配合した再生ペレット、配合によって強度が変わってくる。配合率は企業秘密!
●ゴミが死語になる日まで
(有)服部商店では、回収されたビニール袋やフィルム類から作った再生原料でごみ袋を作っている。再生原料を40%使用したものと、100%再生原料からできたものとがあり、ポリエチレン樹脂で出来ていて、ダイオキシン等の有害物質を出さないごみ袋だ。毎日の生活にこうした再生原料から作った製品が使用されるようになれば、気付かないうちに資源問題に貢献できる。様々なものが、こうした再生資源から製作できると思うと、“ごみ”という概念がなくなり、廃棄する全てが“資源”という言葉になる世の中が来るのも遠くはないかもしれない。もしくはそうなるために、市民側の意識、選択の責任が出てくる時代がやってきているのかもしれない。
 
 
 
 
 
廃シートベルトから作ったバック。とてもモードでカッコいい
廃シートベルトから作ったバック。とてもモードでカッコいい
●資源、再生で繋がる町、人
エコプラザ綾瀬の重機などは、同じ吉岡工業団地にある製鉄会社などが作っているらしい。そして、先に紹介したように藤沢市や全国から資源が集まり、また近所の社会福祉施設の方々が選別作業をしたりしている。藤沢市内には、ここで作られた再生ペレットを使用したベンチや花壇などが市役所などに多く使われている。資源たちは、知らないうちに私たちの回りを少しずつではあるが、ぐるぐると循環し始めていることを感じた。
 
 
 
 
 
 
 
集まる発泡スチロールたち
集まる発泡スチロールたち
●追記:シートベルトだって大変身
エコプラザ綾瀬を運営する(有)服部商店では、中間処理の他に、エコなアイディア商品も制作している。藤沢市辻堂にある有限会社クレアトーレとイノベコ(innoveco)というブランド名で廃シートベルトや廃エアバックから作ったバックなどを協働でつくっている。また、(有)服部商店のオリジナルブランドのロコヨでは、先に述べたようなベンチやテーブル、プランター、医療廃棄ボックスを作りだしている。
 
 
 
 
 
 
 
関連リンク:
(有)服部商店
イノベコ(innoveco)


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