せっけん講演会「大変なことになっている!プラスチックスープの海のはなし」が開催されました!

海洋プラスチックごみ
海洋プラスチックごみ

 
講演会の様子
講演会の様子
6月13日(土)、藤沢市せっけん推進協議会主催・藤沢市共催により、講演会「大変なことになっている!プラスチックスープの海のはなし」が鵠沼公民館で行われました。講師に、東京農工大学 農学部環境資源科学科教授の高田秀重先生(以後、高田先生)を迎えて海のプラスチック汚染についてのお話がありました。

藤沢の片瀬や鵠沼海岸でも、ビーチクリーンをすると多く出て来るプラスチックのゴミ。それらは、どこからきて、どこへ行くのでしょうか。“せっけん”の普及推進をしている主催団体の藤沢市せっけん推進協議会は“せっけん”を通じて“いのち”を守る、そしてすべての命に通じる“水”を守っている団体です。毎年、様々な講演会を開催していますが、今年のテーマは、海のプラスチック汚染問題について農学部環境資源科学科教授の高田先生より講演が行われました。世界で年間3億トンのプラスチックが生産され、そのうちの半分は容器包装とのこと。そして、世界の人口で平均すると一人あたり数十Kgのプラスチックを消費しているそうです。それらが、海へと流れ出て、外洋にプラスチックゴミが溜まる場所が、世界中で発見されています。各研究家たちによる調査によると海洋に漂流するプラスチック総量は27万トン。1年間に800万トンのプラスチックが海洋へ流入しているそうです。数字が総量と合わないのは、海の底に沈んでいる、もしくは、細かくなってスープのようになっているのではないかと言われています。細かくなった5mm以下のサイズのマイクロプラスチックというのが新たな環境問題となっています。

鵠沼海岸の海水に浮かぶマイクロプラスチック
鵠沼海岸の海水に浮かぶマイクロプラスチック
●海洋プラスチック汚染
日本の洗顔料やハミガキ粉などに使われているマイクロプラスチック(一部の欧米諸国では使用に規制)。海洋に出たプラスチックたちも、海岸で削られたり、漂流するうちに、紫外線、波などによって細かくなりマイクロプラスチックになっていくそうです。マイクロプラスチックはプランクトン並みの小ささなので、海鳥や、海の生物が誤食する例が数多く発見されています。200種以上もの海洋生物からプラスチックを摂食している報告があるそうです。また、プラスチックから溶け出るノニルフェールという環境ホルモンは、子宮内膜症や乳がんなどの増加を引き起こす可能性があります。このノニルフェールなどの添加剤を海洋プラスチックゴミによって、海洋生物の体内に運ぶほか、海洋プラスチックゴミが周辺海水中から汚染物質を吸着することによる、プラスチックの有害化も問題となっています。高田先生の研究所が主催する「インターナショナルペレットウォッチ」(東京農工大学 高田研究室)では、全国・世界から、海洋や海岸にあるマイクロプラスチックが送られ、それらを分析し有害化学物質モニタニングをしています。ポリ塩化ビフェニル(PCBs)<奇形、発がん、免疫力の低下などを引き起こす有害化学物質>などが、送られてきたマイクロプラスチックが検出されているそうです。

講演会場での主催団体の展
講演会場での主催団体の展
●リサイクルは解決策ではない
では、プラスチックをしっかりとリサイクルすればいいのではないか?-しかし、リサイクルは最善の解決策ではないそうです。プラスチックのリサイクル率も100%ではなく、リサイクルされないプラスチックも出てしまいます。リサイクルしきれないゴミの埋め立てによる、地下水や河川等への有害物質の流失の問題もあります。また、日本のいくつかの自治体ではプラスチックゴミが焼却されています。プラスチックの種類や燃やし方によってはダイオキシンなどの有害物質が発生します。現代の技術では有害物質を出さない焼却炉もあり、そのような焼却炉で燃やされていますが、それには膨大な建設費と維持費がかかります。海外では、建設されても維持できずに稼働していない焼却炉もあるそうです。また、またリサイクルしたとしても、その過程に生じる費用を、生まれかわった製品や素材で賄えないという現実もあります(税金で費用を負担)。なので、リサイクルは大切なのですが、一番はプラスチックの消費量を減らすということが大事だそうです。最近定着してきた3RのRにも優先順位があり、「一番にReduse(減らす)、二番にReuse(繰り返し使う)、三番にRecycle(再資源化)」ということ。なので、プラスチック製品の中でも、特に使い捨てのもの(レジ袋、ペットボトル、コンビニ弁当など)の使用を極力避けることが大切だそうです。

何気なく消費しているプラスチックの包装容器。関東の荒川流域の海岸環境保全のNPOは2012年だけでも、約30,000本のペットボトルを河原から回収したという報告もあります。海岸に出たプラスチックは、有害物質をまとい、生物に入り込み、私たちの生活や環境に帰ってきています。湘南海岸を有するものとしても、普段の生活から、消費の仕方を考えていかなければいけませんね。

農学部環境資源科学科教授の高田秀重先生
農学部環境資源科学科教授の高田秀重先生
今回の講演を主催している藤沢市せっけん推進協議会によるお祭りが7月11日に開催されます。第3回藤沢せっけんまつり、7月11日(土)12:00-15:30、場所:フジサワ名店ビル6階イベントホール。このお祭りでは、せっけん製造メーカーや、せっけんに関わる市民団体など10団体以上が集まり、せっけん製品の販売や、こねこねせっけんづくりなどのワークショップなどが行われます。同協議会のパネル展示等もございますので、よかったら是非、訪ねてみてください。

●藤沢市せっけん推進協議会
1981年「藤沢市洗剤対策協議会」として発足し、その後「藤沢市石けん推進協議会」、現在の「藤沢市せっけん推進協議会」となって精力的に活動を継続させている市民団体です。同協議会の活動により、藤沢市の全学校給食施設では、調理機器や床の洗浄に1986年より“せっけん”が使用されています。その他、引地川、境川などの合成界面活性剤の濃度の調査なども行っています。「いのちを守るため、自然を守るため、せっけんの良さを皆さんに知ってもらいたい」と藤沢市を中心に周辺各地で活動しています。

関連リンク:
東京農工大学 高田研究室

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