ミクロネシア連邦大統領の地球環境への想い-藤沢市制施行70周年記念事業「環境フォーラム~地球温暖化を地域から考える~」

ミクロネシア連邦大統領エマニュエル・モリ氏
ミクロネシア連邦大統領エマニュエル・モリ氏
 普段エコを考えるとき、どれだけの人が、南の島の現状を考えられるでしょうか。11月5日、日本大学生物資源学部にて「環境フォーラム~地球温暖化を地域から考える~」が開催されました。ゲストのミクロネシア連邦大統領のエマニュエル・モリ氏による講演「ミクロネシア連邦における地球温暖化の影響」の一部と、エマニュエル・モリ氏、藤沢市長海老根氏、日本大学教授廣海氏による座談会の様子をレポートします。

 
 
 
 
 
 
 

パプアニューギニアの北東に位置する
パプアニューギニアの北東に位置する
●ミクロネシア連邦とは?
 ミクロネシア連邦とは、太平洋のミクロネシア地域に位置する607の島々による国家です。人口は12万人、島々の総面積は約700立方キロメートル(世界179位)の小さな国です。大統領のエマニュエル・モリ氏(以後、モリ大統領)は日系4世で、ミクロネシア連邦は、第一次世界大戦から第二次世界大戦まで、日本が統治していた経緯もあり、日本ではあまり知られていませんが実は日本ととてもゆかりの深い国だそうです。そんな南の小さな島が今、大変な局面に立ち向かっています。
 
 
 
 
 
 
 
熱帯魚にサンゴ礁、キレイな青い海が映し出された
熱帯魚にサンゴ礁、キレイな青い海が映し出された
●海面から1メートルの生活
 「自然と調和した海面から1メートルの生活、小さな島々に住むものとして、自然環境に対して、感謝して生きてきた。しかし、今、大きな問題に対して自分たちの役割がある。」とモリ大統領は話しを始めました。会場のスクリーンには、キレイなサンゴ礁や熱帯魚、古代遺跡の写真が映され、一枚、一枚の写真はまさに楽園そのものを表し、ミクロネシア連邦の自然の豊かさが短い時間でも伝わってきました。「しかし、世界の国々では、子ども達の未来よりも、それぞれの国策が優先されているように思う。」とモリ大統領は続けました。
 
 
 
 
 
 
 
高潮時のショッキングな写真
高潮時のショッキングな写真
●ミクロネシア・チャレンジ
 そう話すと、見てほしい映像があるといい、話しを一度やめた大統領の後ろのスクリーンには、高潮により、海辺の家々や畑まで、波が押し寄せ、村が水浸しになっていく映像が流れました。映像は、まるでスマトラ島におきた津波の映像を見ているかのようでした。ミクロネシア地域では、「ミクロネシア・チャレンジ」という、サイパン、グアム、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島の地域・国々とで合意された、2020年までにミクロネシア地域の沿岸海域の30%、森林資源の20%を保全する。という宣言がされています。モリ大統領は最後に「私たちは太平洋の子ども、太平洋の近隣住民です。一人一人が太平洋を守って欲しい。」と講演を締めくくりました。
 
 
 
 
 
 
 
座談会では、これからの地球へ活発な議論が交わされた
座談会では、これからの地球へ活発な議論が交わされた
●台風ができる場所
 座談会は、日本大学教授の廣海十郎氏(以後、廣海氏)の進行のもと、モリ大統領、海老根市長で行われました。初めに、ミクロネシア連邦の環境について、モリ大統領は「まず初めに、私たちは、日本や中国に謝らなければならない。昨今、日本や中国には大きな台風が来て、被害がもたされているが、その台風たちは、私たちの海で生まれている。」と話しを始めました。遠い国でも、海は繋がり、お互いに影響しあっているというメッセージを感じました。海面上昇についても廣海氏がたずねると、(↓続き)
 
 
 
 
 
 
 
元アメリカ副大統領アル・ゴア氏の「不都合な真実」より、 「私にできる10の事」
元アメリカ副大統領アル・ゴア氏の「不都合な真実」より、
「私にできる10の事」
●戦っていく姿勢を見せたい
 モリ大統領は「高潮がタロイモ畑まできて、被害受けている。海では珊瑚が死んでいき、そこに住む魚たちも死んでいっている。環境と、開発の両側面を取り入れた政策を、国際社会に訴えている。」と話しました。次に廣海氏は、海面上昇が問題となっている同じミクロネシア地域のキリバス共和国の移住計画を例にだし、ミクロネシア連邦では移住についてどう考えているか質問すると、モリ大統領は「私たちは、キリバスのように移住はせずに戦っていく姿を見せたい。」と話しました。
 
 
 
 
 
 
 
三大谷戸の保全
三大谷戸の保全
●Think Globally, Act Locally
 海老根市長からは、藤沢の環境政策についての話があっりました。太陽光発電パネルの市内全小中学校設置計画。茅ヶ崎市、寒川町と共同で電気自動車(EV車)購入など、2市1町で進めている「湘南エコウェーブ・プロジェクト」。電気自動車のバスを通し、効率的な社会インフラを目指した「パナソニック跡地の土地利用~サスティナブル・スマートタウン構想」。藤沢市内にある三大谷戸の保全など、様々な環境問題に対しての政策を発表し、「私達、先進国は大きな罪を犯してきたかもしれない、これからは『Think Globally, Act Locally』世界規模で考え、行動することで、罪を償う時代がきている。」と話しました。
 
 
 
 
 
 
 
左から、日本大学教授 廣海十郎氏、ミクロネシア連邦大統領 エマニュエル・モリ氏、藤沢市長 海老根靖典氏
左から、日本大学教授 廣海十郎氏、ミクロネシア連邦大統領 エマニュエル・モリ氏、藤沢市長 海老根靖典氏
●私たちの島がなくなる前に
 最後に、廣海氏から普段の生活でどんなエコ活動をしているのか、モリ大統領、海老根市長に質問しました。モリ大統領は、「電球を省エネなものに変え、電力はソーラーパネル、風力発電に。と目標はあるが、財政には限界がある。企業に支援してもらい、これらの整備をするとともに、子どもたちには環境教育をしている。」(モリ大統領政権発足後、直ちに教育省、環境・危機管理局等を新設。)海老根市長は、「海岸の美化活動をしている。私達の海からゴミが出るとミクロネシアに流れ着き、自然を壊してはいけないから。」と話しました。

 「グアムやサイパンのように華やかではないし、環境や自然と繋がるパッケージしかないが、新鮮な刺身や見たこと無い木々、遺跡があります。私たちの島がなくなる前に、是非来てほしい。」と冗談まじりに、モリ大統領は強く先進国へ環境問題の深刻さを訴えるとともに、自国をアピールし座談会は終えました。

レインボーネシア(ミクロネシア連邦政府公式プロジェクト)


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