藤沢メダカの学校をつくる会-メダカ放流実験


 
3月4日(土)、引地川親水公園内の湿性植物園にて藤沢メダカの放流実験が行われました。この活動は、境川純系の遺伝子を持つ藤沢メダカを、人間の飼育環境から再び野生に戻す取り組みとして2014年から毎年行われております。昨年は、藤沢メダカの故郷である鵠沼の第二蓮池でも実行されました。湿地内に限定して、マークをつけた藤沢メダカを放流、追跡調査して、野生環境で遺伝子がどう変化するか調べるというものです。遺伝子の研究調査は東京海洋大学の研究者グループが行なっています。

今回放流されたメダカは、藤沢野生メダカ生態復元研究所の森裕さんが繁殖・飼育させたものです。通常、藤沢メダカは遺伝子が混ざることを避けるために藤沢メダカ同士だけで飼育してきました。そのため、本来持っていた野生の遺伝子が失われ、自然の中では生きにくい遺伝子に変化してしまいました。森さんは、大きな容器に3,000匹を超える藤沢メダカを飼育し、元の野生の環境に近づけるために、底に田んぼの土を敷き、稲も植えるなどの工夫をしてきました。その結果、飼育下で失われた野生の遺伝子が、森さんのメダカには残っていることがわかったのです。
 
藤沢メダカの学校関係者のによると、こうした形で野生環境に藤沢メダカを返していく活動には様々な困難があるそうです。最近までこの湿地にはヨシがたくさん生えていたのですが、見通しを良くするために一部を刈ったところ、サギなどの鳥があちこちから飛来するようになり、メダカも食べられやすくなりました。また、かつて「コイがいる川はきれいな川」という考えに基づいて人間に放流されたコイが増え続け、水生昆虫やメダカなど小型の魚をのきなみ食べてしまい、生態系を乱しているという問題もあります。サギもコイも決して悪者というわけではなく、置かれた環境の中で生きているだけですが、全体としての生態系の多様性とバランスは、ほんの小さなことで大きく変わってしまうということを痛感させられるお話でした。当日は子どもたちが藤沢メダカの入った青いバケツを持ち、そろそろとメダカたちを湿地に返していきました。泥やヨシの葉に隠れて小さい魚たちが元気に育つのを見守っていきたいですね。

関連リンク:
藤沢メダカの学校をつくる会 公式ホームページ
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