農家とシェフの出会いの場!
農家訪問交流会(冬)神奈川県県央地域県政総合センター

nokahomon12月初旬、神奈川県県央地域県政総合センターが主催する飲食店向けの農家訪問交流会が開催されました。第3回目となる同イベントは、季節ごとに県内の様々な農家と、地産地消に取り組む、または興味のある飲食店関係者の方たちが交流する出会いの場として開催されています。今回は、海老名市本郷でトマト栽培を営む鴨志田農園を訪問し、こだわりのトマト作りのお話を伺いました。他、JAさがみの大型直売所「わいわい市藤沢店」の見学、同施設隣接の産地形成促進施設で、鴨志田農家のトマトやケチャップ、ジャム、県内産のお米、お肉、地場野菜などの試食会がありました。レストラン経営者や料理人、料理教室運営者、飲食イベント企画者、NPO関係者と様々な業種から10数名が参加し、農家の方と交流・意見交換し地産地消への理解を深め、また新たな商品や、企画を生み出す場ともなっていました。
 
 
nokahomon2●きめ細やかなトマト栽培
今回の訪問先、海老名市本郷という農業地域にある鴨志田農園では、1300坪のハウスでトマトの溶液栽培を行っています。生産されたトマトは、わいわい市や海老名グリーンセンター、全農ベジフルセンターなどに出荷し、トマトジュースやケチャップ、ジャムなどの加工品も作っています。品種は、桃太郎Jや桃太郎ヨークを生産し、週に1トンほど出荷しているそうです。
 
 
 
 
 
 
 
nokahomon2訪問した日は、最高気温8度と寒い日でしたが、ビニールハウスの中はとても温かく、授粉用の小さなハチたちが飛んでいました。苗の横には、黄色い粘着性のある紙が並べられ、これは、虫を捕まえるもので、特殊な匂いや成分はなく“色”によって虫を集めているそうです。このような工夫によってなるべく農薬を使わない栽培をしているそうです。また、使用する“水”のために50メートルの井戸を掘ったそうなのですが「どうも美味しいトマトにならない」となり、もう一本80メートルの井戸を掘り直すとトマトは美味しくなったそうです。
 
 
 
 
 
 
nokahomon3●他のとちょっと違う味
参加者から、どのような点を意識して生産しているかという質問に「勢いよく育つとあまり美味しくならないので、じっくり育てている」と話す鴨志田さん。また、どういうトマトの味を目指しているかという質問には「もっと甘くとか、酸味があるとかではなく“美味しい”ということを目指している。『他のとちょっと違う』とお客様から言われたことがある。それを追求したい」と話していました。
 
 
 
 
 
 
nokahomon4●農家にファンがつく―わいわい市藤沢店
鴨志田農園を訪問した他、JAさがみの大型農産物直売所「わいわい市藤沢店」の見学もしました。ここは、主に藤沢市内や、藤沢市近隣で生産された野菜や果物、生花、お菓子、パン、お米、地粉うどんなどを販売している直売店です。連日大盛況で、土日には駐車場に待ちができるほどの人気店です。各農家は必ず商品に名前入りのラベルを張っており、また陳列棚には農家さん直筆のポップが並べられています。購入者の中には、農家さんの名前を見て購入する、“この農家さんのファン”がいるそうです。
 
 
 
 
nokahomon6●バーコードで農家に直メール!生産者管理
農家さんは、その日の朝にわいわい市に出荷しに来ます。なので、採れたて新鮮の地場食材が陳列棚に並んでいます。販売状況は、レジでのバーコード管理によって生産者さんにメールが届くシステムになっており、もしも完売してしまっても追加出荷しにこれたり、次の日の出荷量の参考になるそうです。参加者たちの多くも、日頃、このわいわい市を利用しているそうで、この日もたくさん食材を購入していっていました。
 
 
 
 
 
 
 
 
nokahomon7●神奈川産を食べてみよう!
交流会の最後には、わいわい市藤沢店の隣にある産地形成促進施設で、鴨志田さんが作ったトマトや、トマト加工品、それに県内で生産された牛肉やお米などの試食会が行われました。トマト加工品には、自然な甘さと深みのある2種類のトマトジャム、濃厚なトマトジュース、まるでバーベキューソースのような濃くと旨みがたっぷりなケチャップと、どれもとても美味しかったです。県内産の牛肉には、やまゆり牛と、湘南和牛、県の職員によりそれぞれの特徴が説明されました。他には、県内産のご飯(さとじまん、きぬひかり)、カブの味噌汁(味噌は津久井在来大豆使用)、ブロッコリー、お漬物など。安心・安全、新鮮で美味しく豪華な試食会でした。
 
 
 
 
nokahomon8
第1回目から農家訪問交流会に参加しているという厚木にある「農家直営レストラン栗の里」店長の宮脇さんは「食材の販売だけでは限界があるが、地域のレストランが地域の食材をもっと扱えば色んな人たちに地場食材の魅力を伝えられる」と話してくれました。
私たちの町も一歩足を延ばすと畑があり、水田があり、漁港がありと生きていく上で一番必要な営みがあります。日本の食糧自給率は約40%、神奈川県においてはなんと2%(2010年度カロリーベース:農林水産省)です。ただ、今回紹介したわいわい市のような大型直売所が増えてきていて、そしてそのひとつひとつがとても賑わっているのも事実です。採れたての新鮮食材が普及するには、それを購入できる場や、使用する事業者が増えることが大切ですが、私たち消費者も考え選択して行かなければならないと感じた一日でした。
 
 
nokahomon9●追記:わいわい市の取り組み
わいわい市では、地場産食材をより美味しく食べてもらうため、鎌倉女子大学管理栄養学科の学生と連携しオリジナルレシピ集の発行を行っています。他にもわいわい市に行くと様々な食育や、地場産食材についての冊子などがあります。わいわい市には、野菜や果物、生花だけではなく、パンや地粉うどん、お菓子などの加工品もあります。また、季節物でない食材も国内のJAと連携し提供しているので、偏った品揃えにはなっていません、普通のスーパーとして利用できます。まだ行ったことがない方は是非足を運んでみてください。
 
 
 
 
 
 
●リンク:
神奈川県県央地域県政総合センター
わいわい市藤沢店